今回は、フィルムカメラ復活からフィルムカメラの魅力を書いていきたいと思います。
数年前から、フィルムカメラが若者などのデジタルカメラ世代・スマホ世代に人気になってきたとネットやニュースで話題になっています。
今回はなぜそういったフィルムカメラ・ブームが起きているのか、さらにそこからフィルムカメラの魅力について書いていきたいと思います。
デジタルカメラの台頭
フィルムカメラの復活について紹介する前に、デジタルカメラの台頭について書いていきたいと思います。
現在、生産されているカメラのほとんど100%はデジタルカメラです。
このデジタルカメラは2000年代の初めから登場し始めました。
最初は、確かにフィルムカメラのように現像は必要ないし、たくさんの写真を撮れる便利なカメラだが、画質など技術がまだまだ未熟でプロカメラマンや写真家などはフィルムカメラを使うという時代でした。
しかし、デジタル技術が発展する中で、フィルムカメラの欠点を補いつつ、フィルカメラにないメリットをどんどん拡大させていきました。
フィルムカメラになくてデジタルカメラにあることとは、
・フィルムの枚数関係なく、たくさんの写真が撮れる。
・現像する必要がない。
・その場で写真が確認できる。
大きなことでは上記のようなことが挙げられます。
このようなデジタルカメラならではのメリットを拡大させつつ、フィルムカメラが優位だった画質やカメラの機能でもデジタルカメラが追いついてきました。
そして2010年代になってくるとデジタルカメラが一般的に普及し始めました。
一般の人からプロまでがデジタルカメラを使用する時代になったのです。
さらにスマートフォンの登場で、デジタルとしてのカメラは完全に主流となりました。
カウンターカルチャーとしてのフィルムカメラ
このデジタルカメラが主流となって10年近くたった2010年代後半からフィルムカメラが少しずつ復活し始めます。
もちろん復活といっても昔のフィルムカメラ主流の時代に戻ってはいません。
ただ、明らかにデジタル一辺倒だった時代からフィルムカメラが見直され始めたのは事実だと思います。
ではなぜ、フィルムカメラは見直されたのか。
それは、フィルムカメラ がカウンターカルチャーとして若い世代に認知され始めたからだと思います。
カウンターカルチャーとは、1960年代のアメリカで起きたムーブメントです。
資本主義の台頭により、経済がどんどん発展する中でそういった社会の主流(お金持ちや権力者など)過去の保守的なもの(慣習など)に反抗する流れが生まれます。
その代表例がヒッピーや反戦運動です。有名な映画だと『イージーライダー」は当時のカウンターカルチャーを体現した若者を描いています。
詳しくは、カウンターカルチャーで検索していただくとして、ここではフィルムカメラがカウンターカルチャー になったと思われる理由(=フィルムカメラの魅力)を書いていきたいと思います。
カウンターカルチャーとしてのフィルムカメラ の魅力とは
ここまで書いてきたように、フィルムカメラは主流となったデジタルカメラへの反抗からその魅力が新しく認知され始めました。
一言いえば、フィルムカメラのデメリットがメリット(=魅力)に変わったということです。
フィルムカメラの「不便さ」が「新鮮さ」に変わった。
まず、フィルムカメラ がデジタルに負けた大きな理由は、フィルムカメラがデジタルカメラに比べて「不便」だったことです。
写真の枚数も12枚や24枚、35枚など制限があったり、その場で写真が確認できない、現像が必要など。
まさに最初に記載したようなデジタルカメラのメリット、裏を返せばフィルムカメラのデメリットです。
このフィルムカメラ の「不便さ」が、デジタルカメラが主流となった時代においては、「新鮮さ」「面白さ」に変わりました。
フィルムの巻き上げや、現像までどんな写真が出てくるかわからない面白さなど、フィルムカメラのデメリットとして”消されてしまった”フィルムカメラのデメリット(=不便さ)が逆に新しい感覚に変わったのです。
フィルム写真が「味わい」のあるものなった
現代のデジタルカメラの画質は、そのカメラ技術向上やレンズの性能が上がったことで昔のフィルムカメラ以上に綺麗な写真を撮れるようになりました。
このリアリズム的な時代の流れの中で重視されてきた確実性から、フィルムカメラの偶然性が見直され始めました。
最近、フィルム写真を見て若者が「エモい」と表現するようになったのはそれが原因だと思います。
(ちなみに筆者も26歳なので、一応若者だと思いますが…)
これもデジタルカメラで撮影された写真が主流となって初めて現れてきた感覚だと思います。
若者としてのフィルムカメラの意義
ここまでフィルムカメラの復活は、主流となったデジタルカメラが持っていない部分が逆に「貴重な体験」になったと書いてきました。
ちなみにこの流れは、カメラだけではありません。
特にレコードやカセットテープ のブームは特に似ていると思います。
ヴィンテージ家具や旧車なども同じだと思います。
いずれも「主流となったもの」に対する反抗(反動)によってその魅力が再発見されているのです。
少し本題からはそれますが、デジタルカメラ世代(若者)とフィルムカメラ世代でもフィルムカメラへの捉え方が異なると思います。
ここまで書いてきたのはあくまでも若者視点、つまりデジタルカメラしか知らずにきた世代の視点からでした。
年配の方は、フィルムカメラを昔使っていたため、上記のような感覚は若者ほどはありません。
なぜならフィルムカメラ をメインで使っていた時代があるからです。
フィルムカメラ世代の方は、「新鮮さ」というよりは「懐かしい」といった感情でフィルムカメラに接している方や懐古主義的な方が多いのです。
つまり、上記のフィルムカメラの魅力は、デジタルカメラしか使ったことがない人しか感じることのできない貴重な体験だと思います。
残念ながら、レコードやヴィンテージ家具などと違って、フィルムカメラはフィルムの生産が止まれば使えなくなってしまいます。
実際に多くのフィルムメーカーが生産終了や値上げを毎年のように行っています。
最後のチャンスだと思って、一度チャレンジしてみるのはいかがでしょうか。
そして、フィルムカメラを自分の世代ならではの1つの自己表現として今後も使ってみて欲しいです。
最後に
あくまで主観的考察ではありますが、今回はカウンターカルチャーとしてのフィルムカメラの復活とそのフィルムカメラの魅力を書いてきました。参考になれば嬉しいです。
ではでは。